【No.99】「ノミ予防をお願いします」

暑い夏が終わり、過ごしやすい季節になってきました。私たちと同じように、ワンちゃんやネコちゃんにも気持ち良い毎日だと思います。

さらに、ノミなどの外部寄生虫、野生のネズミなどにとっても、活動しやすい季節になってきました。

野生のネズミに注意して下さい。直接捕まえなければ簡単に噛まれることはないでしょう。野生のネズミたちは、バイ菌、ノミ、ダニなどを運んできます。ネズミたちがお家の中に入ってこないような対策は、専門家に相談されることが必要です。

外でおとなしくしているネズミを見つけた場合は、何もしないでそのまま放置してください。小さくて可愛いネズミですが、危険がいっぱいです。気をつけて下さい。

ノミは、ネズミのように簡単に見つけることができません。しかし、ワンちゃんやネコちゃんと一緒に生活している私たちの周りの外部寄生虫ではもっともポピュラーなものですから注意が必要です。

ワンちゃんやネコちゃんが痒そうにしていることがあります。「家はきれいにしているから」とか、「ワンちゃんやネコちゃんを外に出さないからノミなんていない」と思われているご家庭でも、よくノミが突然発生することがあります。これは、住宅環境が良くなり、ノミにとって快適な状態を作ってあげているからです。

最近では、ワンちゃんやネコちゃん用の動物医薬品を使用されていれば、ほぼ100%ノミの発生を防ぐことができるようになってきました。首のところにつけるタイプや飲み薬のタイプがあり、どちらも1ヶ月に一回で予防できます。ワンチャンやネコちゃんだけでなく、人への被害を防ぐために、是非、お忘れなく。

動物病院のスタッフは、診療中にネコちゃんに引っかかれる可能性が格段に高く心配していることがあります。「猫ひっかき病」と呼ばれる、細菌のバルトネラ•ヘンセレによるリンパ節炎が主症状の感染症です(参照 1 & 2)。ネコちゃん自身には、ほとんど大きな問題がありません。

ノミがネコちゃんの血液を吸って、ノミの中に細菌を取り込み、細菌が繁殖し、ネコの毛の中に細菌を糞便と一緒に排泄します。

その細菌が含まれている排泄物が、ネコがグルーミングを行う際に爪や歯に付きます。そして、爪や歯に細菌が付いたネコちゃんが人を引っ掻いたり、噛んだりすることによって、細菌が傷口から侵入して感染します。

人ではネコちゃんのノミに多数寄生されて感染する可能性もあります。

猫ひっかき病は、軽症の場合、自然治癒することが多く、大事に至らないことが多いと報告されています。しかし、リンパ節の腫大や痛みがひどくなり抗菌剤の投与が必要な場合があります。免疫機能が低下している方では感染症が重症化する可能性がありますから要注意です(参照 1 & 2)。

来院されるネコちゃん(のご家族)へのお願いです。

1)ノミ予防(ブロードライン、フロントライン・プラスなど)を1カ月に1回忘れないように付ける。季節を問わず、一年中継続して下さい。

2)来院前に爪を切って下さい。難しい場合は診察前に切りますからお伝えください。

3)家の中で生活しているネコちゃんを外に出さないでください。ワイルドな環境を与えることが愛情でないことをご理解下さい。

4)外のネコちゃんにできるだけ触らないようにして下さい。特に何も知らない小さいお子様にはしっかり教えてあげて下さい。ただネコちゃんを怖がる必要はありません。静かに見守ってあげて下さい。可愛いですね。

以上、「猫ひっかき病」をちょっと怖がっているネコ好きの独り言でした。

参照文献
1)丸山聡一 (2018) 「猫ひっかき病」。「犬と猫の感染症診療」pp 272 – 276, 前田健、佐藤宏監修、緑書房。

2)愛知県衛生研究所生物学部の「猫ひっかき病」https://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/cat.html

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