【No.97】「ぽっちゃりしたワンちゃんやネコちゃんは、ライザップより動物病院へ」

前回に引き続き「ぽっちゃり」に関するお話です。

アメリカ合衆国(USA)のほぼ全州に1,000以上の動物病院ネットワークを持つバンフィールドの調査報告で、ポッチャリしたワンちゃんが多くなっているという情報を入手しましたのでご紹介しておきます(参考文献1)。
日本でも同じような傾向だと感じています。

2018年の調査では、診察を行った190万頭の2歳以上の成犬のうち、51%が体重過剰と診断されました。
2016年と2017年の調査でも同じような傾向でした。

この調査では、診察したパグの64%が体重過剰と診断されました。
その他、ブルドッグ(57%)、ビーグル(56%)、コーギー(56%)なども体重過剰の犬種でした。

体重過剰と診断された10%以下のワンちゃんは、体重過剰と診断されてから3-6か月後の間に、体重の10%以上のダイエットに成功しました。
がんばりましたね。

10%のダイエットに成功して健康な状態と判断されましたワンちゃんの内の40%は、1年後には再び体重過剰と診断されたそうです。
残念です。
やはりダイエットはかなり難しいようですね。

今回のバンフィールドの調査では、身体状態のBCS(ボディコンディションスコア)とい5段階評価の指標で、4段階以上を「太りすぎ(体重過剰)」としています。
どういう体型かというと・・・

BCS5段階評価の4段階(体重過剰、参考文献2 & 3)とは:
肋骨は脂肪に覆われ触れることは難しい。
腰の部分は、やや厚みがあり、骨格はかろうじて触ることができる。
体型は、横から見た腹部のへこみや、上から見た腰のくびれはほとんどなく、わずかに横に広がっている。
体重過剰の場合、体脂肪は25 – 34%です。

BCS5段階評価の5段階(肥満)とは:
4段階(体重過剰)よりも厚い脂肪に覆われているため、肋骨や腰部の骨格を触ることが非常に難しい状態です。
体型は張り出してたれさがり、上から見た腰のくびれはなく、背面は顕著に広がっている。
肥満の場合、体脂肪は35%以上です。

 

体重過剰や肥満のワンちゃんやネコちゃんでは何が問題でしょうか?

体重が重すぎて気持ちよく生活できない、動くときに機敏に動けない、活動が低下する、生活が楽しくなくなるなど、悲しいことばかりです。
「いつもワンちゃんやネコちゃんと楽しく生活している」と思われているご家族には、少し理解できないかもしれませんね。

私たち自身のことに置き換えて考えてみるとよく分かります。
例えば、60Kgの体重の人が、自分の体重の10%以上の荷物を背負っていつも生活するとなると悲鳴を上げてしまいます。
体重過剰や肥満のワンちゃんやネコちゃんはどれだけ我慢強いか。

ワンちゃんやネコちゃんの体重過剰や肥満に関するご相談は、ライザップではなく動物病院へご来院いただき解決して下さい。

 

参考文献1:
JAVMA News (2020) Banfield report. JAVA Vol. 256, N0.6, pg623
‪https://www.banfield.com/exchange/latest-thinking/vet-report/overview‬

参考文献2:
Small Animal Clinical Nutrition(小動物の臨床栄養学)Hand, Thatcher, Remillard, Roudebush, Novotny著(岩崎敏郎、辻本元監訳)、第5版、pg6

参考文献3:
ボディコンディションスコア(BCS)の基準。「The Hill’s Key to Clinical Nutrition(ヒルズ製品による食事管理の手引き(2020年5月発行)」pg161。

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