【No.93】「かゆいかゆいの飛んで行け!」

痒みのあるワンちゃんやネコちゃんは、体の痒い部分を一生懸命舐めたり、さかんに足で引っかいたりします。私たちと同じで、ゆっくり落ち着いて休めないし、夜もなかなか寝ることができないかもしれません。

ご家族が気になるワンちゃんの病気を順に並べると、耳の感染症、下痢や嘔吐、皮膚の病気、アレルギー、歯の病気、腫瘍やコブ、そして関節の病気です(アメリカ獣医師会の2017 – 18年の調査、文献1)。

ネコちゃんでは、毛玉の問題、下痢や嘔吐、尿路や膀胱の感染症、くしゃみや涙の問題がある呼吸器の感染症、皮膚病、アレルギー、耳の感染症です(文献1)。

日本に住んでおられるワンちゃんやネコちゃんのご家族でも同じように感じられておられるのではないでしょうか。ワンちゃんでもネコちゃんでも「痒い」ことが健康上のよくある問題で、ご心配になっておられる方が多いと思います。

痒みの原因が何か分かって、それを取り除くことができれば、早く解決しますが、ご家庭ではなかなか良くならない痒みも多くあります。

耳が痒い場合、耳の検査が必要になります。皮膚の場合も同じように皮膚の検査をして、何が問題かをはっきりさせてから治療を始めるのが一番です。細菌感染によるものやマラセチアという酵母菌のようなカビが悪さをすることによって起こる皮膚や耳の病気で痒みが起こることがあります。ノミやダニなどの外部寄生虫による痒みもあります。アレルギーが関与したりしなかったりするさまざまな原因で起こる犬アトピー性皮膚炎も痒みが再発する病気もあります。食物に含まれているタンパク質に過剰に反応する食事アレルギーも痒みを伴う病気の一つです。

ワンちゃんやネコちゃんの生活や痒みが始まった時期などご家族にお伺いすることが病気を診断する上で重要になります。たとえば、症状や痒みの程度、いつごろ始まったか、症状の出る時期はどうかなどご家族にお伺いします。ご家庭でメモでもしておいていただければ幸いです。生活では、お家の中でのこととか外での状況について、ノミやマダニ予防について、食事やおやつは何を食べているのかなど診断の手掛かりになります。

痒みに対する治療は、原因を特定してその原因を取り除くことができれば最高です。しかし、どうしても原因が不明または不確実で複数の要因が絡んでいる場合、痒みをできるだけ少なくする治療をすることがあります。内服、注射処置、外用薬、薬浴(シャンプーを含む)などそれぞれの症状に合わせて組み合わせることになります。

ワンちゃんやネコちゃんたちの痒みをできるできるだけ少なくして、気持ちよく生活できるようにしてあげましょう。

文献1.Burns, K. (2020) More itchy pets? No problem. JAVMA 256, 410-415.

PAGE TOP