No.90 「お水を飲む量はどうですか?」

「最近、よくお水を飲むようになりました」とか、「うちの子はあまりお水を飲ませんが大丈夫でしょうか?」「どのくらいお水を飲めばいいですか?」などいろいろなご質問をいただくことがあります。

ワンちゃんやネコちゃんはどのくらい水を飲めばいいのでしょうか。

一般的に言われているのか、一日あたりのエネルギー要求量とほぼ同じになると言われています(補足1)。一日あたりのエネルギー要求量だけを基準に考えると、4Kgの健康なワンちゃんであれば、300mlちょっとで、ネコちゃんの場合、240 mlくらいになります。この計算では、ちょっと多いように感じられる方が多いと思います。実際は、体に必要な水を体の中でつくったり、水だけ飲んで生活していませんから、こんな単純な話ではありません。

ドライフードを食べている子とウエットフードを食べている子では、食事に含まれている水の量が違います。ドライフードであれば水分は10%以下ですし、ウエットフードでは75%以上の水を含んでいます。これも計算に入れる必要があります。

体の大きさ(体表面積)、温度、湿度、食事の種類と量、健康状態、ストレス、排泄と蒸発、個体差などいろいろな要因が飲水量に影響を与えています。

こんなもっともらしい説明をしていますが、本当にその子が一日あたりどのくらいのお水を飲めばいいのかはよく分かっていません。健康な子であれば、いつでも自由にお水を飲めるようにしてあげることが大切です。

最近、「以前よりお水をたくさん飲んでいる(=オシッコの回数も増えた)」、「お水をあまり飲まない」などご心配なことがあれば、是非、動物病院にご相談ください。

お水をたくさん飲んでオシッコをたくさんする(多飲多尿)場合、糖尿病、肝臓や腎臓の病気、脳のホルモンの欠乏(尿崩症)、ホルモンが多かったり少なかったりする病気、子宮の病気、薬などによることがありますから、必要な検査を行って体の中で異常なことが起こってないかどうか確かめてあげましょう。

補足1(前回のタカサクブログN.89 「どのくらい食事をあげればいいの?」で説明したものです)。一日あたりのエネルギー要求量(DER)をどのように計算するかです。

まず、RER(安静時エネルギー要求量 Kcal/day)を計算する。電卓で体重(Kg)の3乗を求めて(体重を3回連続して掛け算する)、そしてその後√キーを2回続けて押します。その値に70をかければOKです。

そして、次に、RERにその子の年齢などから推定される係数を掛けてDER(一日あたりのエネルギー要求量)を求めます(「ヒルズ製品による食事管理の手引き 2019年5月発行」より)
犬の成長期 4か月未満 = 3.0 X RER
4-9か月= 2.5 X RER、
10-12か月 = 2.0 X RER
犬の維持期  成犬 = 1.6 X RER
肥満傾向 = 1.4 X RER
減量が必要 = 1.0 X RER
犬の高齢期  = 1.4 X RER

猫の成長期
4か月未満 = 3.0 X RER
4-6か月= 2.5 X RER
7-12か月 = 2.0 X RER
猫の維持期  成猫 = 1.2 X RER
肥満傾向 = 1.0 X RER
減量が必要 = 0.8 X RER
猫の高齢期 = 1.1 X RER

参考文献: 「小動物の臨床栄養学(Small Animal Clinical Nutrition)」Hand, Thatcher, Remillard, Roudebush, Novotny著、岩崎利郎、辻本元監訳、第5版 (2014)

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