【No.89】「どのくらい食事をあげればいいの?」

ワンちゃんやネコちゃんの食事をどのくらいあげればいいのか迷っておられませんか。今回はそのお話しです。

その子の食べ方によって、適当な量をあげておられる方とか、しっかり一回量をカップで測ってあげておられる方といろいろです。

栄養バランスのとれたドライフードやウエットフードで食事のパッケージに一日の食事量が記載されている場合が多いと思いますから、まずはそれに従ってみてください。多くの健康なワンちゃんやネコちゃんであれば、記載された量を食べきることができます。ただ全部食べ切れなかったからといって、いいとか悪いとかいうことはありません。

パッケージに表示されている食事量はどのようにして計算されているのでしょうか。

まずその動物がどのくらいエネルギーを必要としているかを考え、そこからその子の活動などを考慮して計算します。

運動しないで寝ては食べ寝ては食べの生活をするときに必要なエネルギーを計算します。「安静時エネルギー要求量(RER)」と言い、哺乳類のRERは、70 X {体重(Kg)の0.75乗}で求めることができます。

ちょっと難しい計算のように見えますが比較的簡単にRERを求めることができます。まず、ルート(√)計算ができる電卓(スマホの電卓アプリ)を用意してください。体重が4kgの場合、まず、体重の3乗を計算します。4 X 4 X 4 = 64ですね。そして今度はその数値のルートを二回連続して行います。電卓の64という表示のまま、√キーを一回押して、さらにもう一度√キーを押してください。その出た数値に70を掛ければ終了です。

4 KgのワンちゃんやネコちゃんのRERは「198」です。単位は、kcal/day。何もしないでも一日198 Kcalは必要だということです。

活動するとどうしてもそれ以上のエネルギーが必要になりますから、次にそれを加味したエネルギー量をいうものを計算します。一日あたりのエネルギー要求量(DER)というものです。毎日10 Km運動するワンちゃんとケージの中で長い間お留守番している子では、当然、必要なエネルギー量は違ってきます。

DERは、成長段階、活動などの程度に応じて変化するものです。たとえば、去勢や避妊をしているワンちゃんでは、1.6 X RERでDERを求めることができます。ネコちゃんの避妊や去勢を行っている子では、1.2 X RERでDERを概算します。肥満傾向のネコちゃんでは、1.0 X RERです。その他の子では「(文末の)補足」を参考にして下さい。

4 Kgの避妊・去勢をしているネコちゃんでちょっとポッチャリぎみの場合、198 Kcal(RER)X 1.0 = 198 Kcal (DER)となります。これが一日に必要なエネルギーです。これだけ食べていると十分という目安です。

タカサクラガーヤ動物病院では入院、ホテルの時、ネコちゃん(成猫)にサイエンス・ダイエット<プロ>健康ガード避妊・去勢を食べてもらっています。このドライフードは100 gあたり341 Kcalの代謝エネルギー(注1)を含んでいると記載されています。4 Kgのネコちゃんでは、100 g X (198/341) = 58 gのドライフードを一日にあげればいいということになります。約30 gを一日2回です。

この量で食べてみて、どんどん太ったり、排便の状態が安定しなかったり、その他なにか問題があれば、食事の検討をする必要があります。

食事内容のチェックをするため、是非、動物病院へご相談ください。定期的に体重を測定することをお勧めします。ワンちゃんの場合は、お散歩の途中で動物病院へ立ち寄り体重を計量してもらいましょう。

注1: 食事の中のネコちゃんやワンちゃんに利用されることができるエネルギーの測定値のこと。

復習: RER(安静時エネルギー要求量 Kcal/day)は、電卓で体重(Kg)の3乗を求めて(体重を3回連続して掛け算する)、そしてその後√キーを2回続けて押します。その値に70をかければOKです。

補足:
1)DERの概算式(「ヒルズ製品による食事管理の手引き 2019年5月発行」より) 犬の成長期 4か月未満 = 3.0 X RER、4-9か月= 2.5 X RER、10-12か月 = 2.0 X RER、犬の維持期 成犬 = 1.6 X RER、肥満傾向 = 1.4 X RER、減量が必要 = 1.0 X RER、犬の高齢期 = 1.4 X RER。
猫の成長期 4か月未満 = 3.0 X RER、4-6か月= 2.5 X RER、7-12か月 = 2.0 X RER、猫の維持期 成猫 = 1.2 X RER、肥満傾向 = 1.0 X RER、減量が必要 = 0.8 X RER、猫の高齢期 = 1.1 X RER。

2)それぞれの食事の100 g当りのカロリー数は、パッケージのどこかに記載されています。分からない場合は、食事の会社に問い合わせて下さい。

参考文献:「小動物の臨床栄養学(Small Animal Clinical Nutrition)」Hand, Thatcher, Remillard, Roudebush, Novotny著、岩崎利郎、辻本元監訳、第5版 (2014)

PAGE TOP