【NO.71】肛門嚢(こうもんのう): 肛門の近くの気になる話

“肛門嚢(こうもんのう)”について、お聞きになったことがありますか?

ワンちゃんやネコちゃんで肛門周囲を異常に気にして、舐めたり、肛門部分を床にこすりつけたりすることはありませんか?
肛門周囲が赤くなっていたり、脱毛していたり、異常に湿っぽくなっていたり、肛門周囲から異常なにおいがしたりするような場合、何らかの理由で、肛門嚢からの分泌物が出にくくなっていることが考えられます。

肛門嚢は、便の出口の肛門の近くに隠れている左右対称の分泌物を貯める袋状のものです。
ワンちゃんやネコちゃんは、自分で貯めた分泌物を自分で出すことができます。何とも言えない臭いのする液体で、それぞれの個体のID物質のような役割をしていると考えられています。

肛門嚢中にたまった分泌物を自分でしっかり出せないワンちゃんやネコちゃんがいます。ご家族などが肛門嚢を絞ってあげることが大切です。
たとえば、シャンプー前に肛門嚢にたまっている分泌物の液体を出してあげるなど、定期的に肛門嚢の分泌物を空にしてあげれば、肛門周囲の問題をなくすことができます。

肛門嚢の位置は、お尻の方から肛門を見て、時計の4時と8時の位置にあります。肛門嚢を確認するには少し工夫が必要な場合があります。
まず、右利きの方では、ワンちゃんやネコちゃんの後ろから、左手でしっぽの付け根に近い部分をつかんで上にあげます。こうすることで、肛門周囲が上に引っ張られるため、肛門の左右にある肛門嚢が分かり易くなります。
次に、右手の人差し指で肛門の斜め右下を、そして親指で肛門の斜め左下を触ることで、ぷっくらと膨れている部分を確認できます。肛門嚢がたまった状態であれば、このようにして確認できます。
ただ、しっぽがほとんどないワンちゃんやぽっちゃりしたワンちゃんでは、この方法で確認できないこともあります。

最後に、肛門嚢の分泌物を出す方法をご説明します。肛門の周りが毛でおおわれている場合は、バリカンなどで少し短くカットされることをお勧めします。肛門嚢内の分泌物は、管(くだ)を通って、肛門の近くに出るようになっています。
肛門嚢の部分を親指と人差し指で思いっきり絞ってください。分泌物の液体は何とも言えない臭いですから、その対策はしっかりしてください。

「百聞は一見に如かず」で、来院していただければ、ご指導いたします(540円)。
当院では、シャンプー、トリミング前に必ず、爪切り、爪やすり、足裏の毛をバリカンで短くして、耳および外耳道をきれいにしています。
そして、肛門の周りの確認と同時に肛門嚢の分泌物をしっかり出すようにしています。

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